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3Dプリントキットを作ってみよう! ~その2~

 ~その1~から引き続いて、次はパーツを洗浄します。

 樹脂を積層して造形する3Dプリントの出力物は、造形の過程でサポート材と呼ばれるロゥ状の素材が付着しています。このロゥ状のサポート材が残ったままだと塗装のノリが悪かったり、塗装した後に塗膜を透過してサポート材が染み出てきたりするので、組み立て前の下処理として、サポート材を除去する必要があります。

 一応、3Dプリントの出力業者様の方でもある程度サポート材が除去された状態で出荷されてくるのですが、出力業者様によってサポート材の取れ方がまちまちだったり、また、同じ出力業者様でも造形物の形によって取れ具合が微妙に異なっていたり、ぶっちゃけロットによって(担当者によって?)入念だったりそうでなかったりもするようです。要は、ばらつきがあることは否めません。

 ですので、実際に模型を組み立てる段階で、最終的にサポート材を除去する作業がどうしても必要になってきます。

 このロゥ状のサポート材の除去の方法としては、マジックリンなどの強力な洗剤やIPA(イソプロピルアルコール)にパーツを漬け込んで油分を除去する方法がRMモデルズ誌2016年8月号で紹介されているのを読んだこともありますが、私は今のところ、熱湯に漬ける方法でサポート材を除去しています。

IMGP1985.jpg

 この時の温度なのですが、KEDARAHAのキット等で用いられているアクリル素材の場合、DMM様でアナウンスされている耐熱温度は80℃とされています。ですので、パーツを変形させない為には、80℃を超えない湯に漬け込むべきかとも思いますが、同じRMモデルズ誌2016年8月号にパーツの変形を60℃程度の湯に数秒漬けて修正する手法についての記事の記述もあったり、意外に低い温度で、3Dプリントで出力されたアクリル素材は熱変形してしまうようなのです。

 では、何℃のお湯で作業するかというと、私の場合、実は文字通りの熱湯(!)、沸騰させておいたお湯を容器に注いですぐにパーツを漬け込んでいます。(さっきの耐熱温度の話は?・・・[汗])
 なぜかと申しますと、脱脂を十分に確実に行いたいというのと、加熱による変形は覚悟の上で、ランナーに全部パーツがついた状態で、むしろ全体的な歪みを矯正しておきたいためです。3Dプリントのロットによっては、ランナー全体に歪みを生じている時もあり、念のため、一旦、それらをきれいにリセットしてから組立作業に入るようにしています。

 この時に注意しないといけないのは、パーツを熱湯に漬け込む時、水平にしておくことです。傾いたり、複数のキットが重なり合って熱湯に漬かっていると更なる全体的な歪みの原因となるので注意が必要です。実はKEDARAHAの3Dプリントキットのパーツがすべてカゴ状のランナーの中に収まっているのは、パーツを水平な状態でお湯に沈める為でもあるのです。蛇足ながらKEDARAHAのキットは部分々々でカゴ状のランナーの高さが違っていたりしますが、ランナーの高さが凸凹になっている側が上です。(車体や砲塔などのパーツを見て頂ければ、おのずと上として設計している側を上にしてお湯に沈めて頂けるとは思うのですが・・・)

 熱湯に漬け込んで脱脂した後は、中性洗剤(食器用洗剤)を混ぜた冷水で洗浄して乾燥させます。この時も容器の中で水平を維持した状態で粗熱が取れるまで放置するようにしています。

 熱湯と中性洗剤をまぜた冷水と、容器をふたつ並べておくと作業がスムーズに行えるようです。

IMGP1994.jpg

 サポート材の除去の仕方についてですが、RMモデルズ誌の記事等を見ましても、ライター各位様によってもまちまちのようでした。どれがベストというものも今のところ無いようでして、3Dプリントの模型自体、歴史の浅いカテゴリーなので、まだまだ試行錯誤の段階なのかもしれません。コレ!という別の手法を見つけたら、またあらためてご紹介させて頂きたいと思います。

 今回は、3Dプリント特有のサポート材の除去についてご説明させて頂きました。次回も、もう1点、組み立て前の下準備を軽くご説明したいと思っています。
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3Dプリントキットを作ってみよう! ~その1~

 3Dプリントキットは、インジェクションキット(いわゆるプラモデル)やレジンキットとは違った独特の製作工程が必要ですが、CADで設計されたパーツの「かみあい」は気持ちイイ程すぐれていて、所定の手順を踏んでいけば必ず完成できるキットです。

 3Dプリントキットの製作の仕方やコツについては、RMモデルズ誌の特集や夕凪様のDAMEYAのブログで既にご紹介されていらっしゃるのですが、デジタル原型師たる私なりの製作の仕方、私見を数回に分けてご紹介して参りたいと思います。

 今回製作するのは、近日販売開始予定のKEDARAHAオリジナル、1/144 ドイツ軍 III号戦車L型です。なお作例はテストプリント(試作品)を用いておりますので、よぉ~~~く見ると、販売用のものとディテールが異なっているのですが、ご容赦下さいませ。

 こちらがKEDARAHAの3Dプリントキットの中身です。パーツ一式とインスト(B5サイズ)1枚が入っています。
IMGP1977.jpg

 で、パーツを取り出して製作開始・・・
IMGP1979.jpg

 ・・・てか、我ながら出しにくい。
 チャック袋の入り口にランナーの角がひっかかってしまう (゚△゚;ノ)ノ

 そんな時は、まず無理に取り出さないことです。実は、ここに3Dプリントのトラップが潜んでいたりするのです。3Dプリントのいいところでもあるのですが、ヘッドライトなどの細かなパーツが車体に既に一体成型されているので、無理に小さい入り口から取り出そうとすると繊細なパーツを破損する恐れがあるのです。

 一応、立体的にカゴ状にランナーを回すなど、パーツが壊れないような配慮をしてランナー設計はしているのですが、模型としての精度を高めようとするとパーツが繊細で壊れやすいものとなり、反面、壊れにくさを優先すると実物と異なった形状のディテールにせざるをえないこともあり、デジタル原型師として毎度、頭を悩ますところです。

 実は、3Dプリント業者様の方で出力素材ごとに造形サイズのルールを定めていたりもするのですが、実際のところ、必ずしもルール通りでなくても造形して頂けてます。造形最小サイズより小さくても、実際、しれ~~~っと出力されてきたりして、これがまた絶妙に精密感アリアリだったりするのですが、ウェザリングの時に牽引フックやノテックライトが無くなってたりとか、初回のテストプリントでは結構、経験してます、はい。

 で、日頃、どんな按配でCAD設計しているかと申しますと、技術的にきわどいトコロで模型としての精密感を高めたいというのが、今の私の方針です。てか、3Dプリント業者様の造形ルールギリギリ、たまに逸脱したレベルでやってる感じです。

 キットの製作に話を戻して、さて、どうやってパーツを袋から出すか?

 ①袋のなかで回転させてパーツを取り出す。
IMGP1980.jpg

 ②ビニール袋をカッターナイフで切ってしまって、パーツを取り出す。
IMGP1981.jpg
IMGP1982.jpg

 いずれかの出し方で、細かいパーツを破損してしまうことは回避できようかと思いますが、わたし個人的には後者②をおすすめ致します。どの道、その後の製作には必要のないビニール袋なので。

 実は、KEDARAHAの1/144 III号戦車シリーズでは、ノテックライトや前照灯、ホーン等がモールドとして車体に一体成型されていたりしますので、不意に余計な力がかかってOVM類(車外装備品)の支柱等が折れかねないのです。

 3Dプリントは中空の造形など、型抜きの造形方法では不可能なことができたり、最小0.1mmレベルのモールドが刻めるなど、いいことがある反面、パーツの強度や組み立て時の破損のことも考えて設計しないと一般販売品として通用できない代物が作れてしまうのも事実なのです。

 時間とお金があれば、一品物で原型師以外の人には組めない位きわどい設計でメチャクチャ解像度の高い、1/35をそのまま1/144にちっこくしたような戦車を作ってみたい気持ちもございますが、本当に時間とお金があれば・・・のお話です。(多分、ないと思うけど)

 1回目は、パーツを袋から取り出せたところで終わりです。(え゛)
 次回はパーツを洗浄したいと思います。
通信販売はこちらから!
KEDARAHAバナー DAMEYA-NET様のページにリンクしています。
ツイートまとめ
KEDARAHAオリジナル商品
【1/144 3Dプリントキットシリーズ】
No.1 ドイツ軍 III号戦車M型
No.2 ドイツ軍 Flak41 88mm高射砲
No.3 タトラT-18 装甲トロッコ
No.4 ドイツ軍 III号戦車J型42口径
No.5 ドイツ軍 ツェッペリン装甲軌道車
No.6 ドイツ軍 III号戦車L型
No.7 ドイツ軍 III号戦車N型(L型ベース)
No.8 ドイツ軍 スタイヤーK2670軽装甲軌道車(角型ベンチレーター)
No.9 ドイツ軍 スタイヤーK2670軽装甲軌道車(丸型ベンチレーター)
No.10 ドイツ軍 Fu MG39 ウルツブルグ・レーダー
No.11 ソ連軍 SU-76i 76.2mm自走砲
No.12 ソ連軍 SU-76i 76.2mm自走砲 指揮車型
No.13 ソ連軍 ZhDT-3 鉄道魚雷 6発セット

【1/144 3Dプリントキット アフターパーツ シリーズ】
No.1 ドイツ軍 III号戦車用防盾(L型・M型用)
No.2 ドイツ軍 III号戦車ヴィンターケッテ(冬季用幅広履帯)セット(J型、L型他用[脱出口有りの型式])
No.3 ドイツ軍 III号戦車ヴィンターケッテ(冬季用幅広履帯)セット(M型、N型用[脱出口有りの型式])
プロフィール

KEDARAHA

Author:KEDARAHA
 3DCAD(AutoCAD)で作図して3Dプリンターで立体物を造形するデジタル原型師です。
 KEDARAHAのディーラー名で、主に1/144スケールの戦車やドライジーネのガレージキットを販売しています。

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